離婚後の心の空白を埋める旅|インドを選んだ理由
私には年子の姉が一人います。
義理の兄の海外赴任に伴い、姉は子ども2人を連れて、インドで暮らしていました。
最低限の日常生活が戻ってきた頃、姉からの一言が頭をよぎります。
「ご飯が食べれて、ちゃんと寝れるようになったら、インドに来たらいいよ。きっと人生観が変わるよ。」
これからどうやって生きていくのか、仕事はどうするのか、何も定まっていなかった私は、先が見えない自分の人生と向き合うため、**「インドに行きたい」**と強く感じました。
そう思った日には、もう航空券を予約していたのです。
そして私は、心の空白を埋めるための旅に出ました。
インドの人々と文化が教えてくれた「心の再生」
物質ではなく「心の豊かさ」に触れた瞬間
初めて訪れたインドは、まさにショックの連続でした。
- 整備されていない道路とゴミの山
- 濁った水が当たり前のトイレ
- 煮沸されていない袋入りの牛乳
- 今にも崩れそうな建物で暮らす人々
- 何度も起きる停電
- 破れた服で笑顔を見せる子どもたち
日本のような便利さや快適さは、ここにはありません。
けれど、インドの人々はなぜか生き生きとしていて、目が輝いていました。
「何も持たなくても、こんなに豊かに生きられるんだ…」
その光景を目の当たりにしたとき、
胸にずっとつかえていたものが、少しずつ溶けていくのを感じました。
目の前の「今」を生きる大切さ
インドの街には、**“今を生きる人”**があふれていました。
- 今にも壊れそうな車やバイクで移動する人々
- 裸足で走り回る子どもたち
- 道端で談笑したり、静かに祈りを捧げる人々
過去や未来にとらわれず、目の前の瞬間を生きる姿。
離婚後、後悔や不安に縛られていた私にとって、
この光景は胸を強く揺さぶる気づきとなりました。
インドの信仰心から学んだ“委ねる”生き方
インドの人々は、日常の中に自然と祈りがあります。
川に花を流す人、神に手を合わせる人…。
その姿は、人生を**「大いなる流れに委ねる」**ことを体現していました。
私はその姿を見て、心の中でこうつぶやきました。
「もう、全部抱え込まなくてもいい。
もっと力を抜いて、委ねてもいいんだ。」
この感覚は、心の再生の小さな一歩となり、
この先に待つ“本当の私を取り戻す試練”を乗り越える力に変わっていきます。
多様性の享受が教えてくれた“自由な生き方”
インドを旅して驚いたのは、多様性を受け入れる懐の深さでした。
街を歩くと、ヒンドゥー教、イスラム教、シク教、仏教、キリスト教…
さまざまな宗教や価値観が共存し、人々はそれぞれの祈りや生活を大切にしています。
しかし、そこには対立ではなく、自然な共存がありました。
違う服を着ていても、違う神を信じていても、
「それがあなたの生き方なら、それでいい」
そんな空気が街全体に流れていました。
離婚後の私は、他人の目や世間体を気にしてばかりで、
「こう生きなければならない」という思い込みに縛られていました。
でも、インドでの多様性に触れたとき、
「生き方はひとつじゃなくていい」
「私は私のままで生きていい」
心の奥がふっと軽くなる感覚がありました。
この気づきは、自己肯定感を取り戻す一歩につながったのです。
旅がくれた心の変化
インドで過ごした日々は、私にとって魂を洗う時間でした。
- 幸せは外の環境や物質ではなく、心の中にあること
- 過去や未来にとらわれず「今」にフォーカスすること
- 他人と比較せず、私らしい人生を歩むこと
今までとは違う文化や人々に触れたことで、
人生観は大きく変わり、それまで下を向いていた顔を上げて、
少しずつ前を向けるようになったのです。
🌙 次回予告
次回は、インドの旅で得た気づきを日常に取り入れながら、自己肯定感を取り戻していくプロセスについてお話しします。

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